ピアノの楽譜とは?
定義と基本
ピアノの楽譜は、一種の言語である記譜法を使っています。文字や単語を並べて文章で何かを伝えるように、記譜法は記号の体系を通して、音の高さ、リズム、テンポなど、曲を正しく弾くために必要なことを伝えます。楽譜は、この記譜法が最終的にまとまった形です。私たちが使う言葉とは違い、記譜法は世界共通の言語です。読み方を学んだ世界中の音楽家が、そこに書かれた曲を演奏できます。
五線という考え方
ピアノの楽譜を読むには、まず五線の考え方を知ることから始まります。現代の記譜法は五線譜と呼ばれます。5本の横線と、その間の4つの間(スペース)からなり、それぞれが異なる音の高さを表しているのが特徴です。音符などの音楽記号は、高さや役割に応じて五線のさまざまな位置に置かれます。

五線上の音符は、線の上に置かれることも、線と線の間の白い部分(間)に置かれることもあります。
ピアノを弾くのに、なぜ楽譜が大切なのでしょうか?
音楽を演奏するのに、楽譜が読めることは必須ではないという人もいます。それは確かにそのとおりです。ただ、読めないと学習の幅が限られてしまいます。理由はいくつかあります。
好きな曲を何でも弾ける
ピアノの楽譜が読めると想像してみてください。弾きたい曲の楽譜を手に取り、すぐにピアノで弾くことができます。目の前の文章を読むのと同じように、曲を簡単に弾け、好きなだけピアノの練習曲に取り組み、正しいピアノの指使いも身につけられます。記憶に頼る学習法と比べると、大幅な時間の節約になります。
弾いたものを書き留められる
頭の中で曲を思いついて、歌ってみたことはありませんか? それなら、あなたはすでに自分の曲を作ったことになります! 作曲では、楽譜を読める(つまり書ける)ことが基本です。なぜでしょうか。曲を書き留めておけば、忘れずにすみ、ほかのピアニストにも弾いてもらえるからです。
それに、楽譜に曲を書くことは、曲の構成を整えることでもあります。書き留めずに物語を考えるようなものだと想像してみてください。文章を書くときは、すでに書いた文を何度も見返しながら、続きを組み立てていきますね。作曲もまったく同じです。曲を書くことで構成が整い、全体の形がはっきりしてきます。
ほかの音楽家と話せる
相手と同じ言葉を話せれば、互いに理解し合えます。
ピアノの楽譜が読めれば、ほかのピアニストと意見を交わし、議論することができます。ほかの音楽家からのアドバイスで上達できますし、自分のアドバイスでほかの人の上達を助けることもできます。ピアノを弾くことは、単なる活動ではなく、一つのコミュニティでもあるのです。

楽譜の読み方の基本
ここからは、ピアノの楽譜に書かれた記譜法の基本を見ていきます。主に楽譜の成り立ちを取り上げます。両手がどこに書かれているか、さまざまな種類のピアノの音符、間、中央のドなどです。
とても基本的な内容ですが、楽譜を読み始め、よい環境でピアノを弾くためにはとても役に立ちます。
五線上の両手
楽譜で最初にすることは、両手がどこに書かれているかを見分けることです。実際、それぞれの手には楽譜上に専用の場所があり、左手で弾く音と右手で弾く音を簡単に見分けられます。

楽譜には、それぞれ5本の線からなる2つの段があります。上の段はト音記号の段で、ふつうは右手で弾きます。下の段はヘ音記号の段で、ふつうは左手で弾きます。

まず曲の右手だけを練習したい場合は、ト音記号の段にある音符だけに集中しましょう。
中央のド
ピアノの鍵盤で位置をつかむには、中央のドを見つけることが大切です。楽譜も同じです。中央のドは基準点となり、ほかの音符の位置を見分ける助けになります。
中央のドは楽譜の中心、2つの段の間にあり、目に見えない線の上に位置しています。

ですから、ピアノの楽譜を読み始めるときは、いつも中央のドを出発点にして位置を確かめるのが最善の方法です。
音符
五線上の音符の位置
五線上では、音符や和音は線の上にも、線と線の間の白い部分(間)にも置かれます。音符の頭(黒い丸)が、五線上の実際の位置を示します。音符が五線の上のほうにあるほど音は高くなります。言い換えると、音符が五線の高い位置にあるほど、鍵盤の右のほうへ手を動かして弾くということです。
鍵盤の右へ1音上がると、五線でも1段階上がります。1段階とは、線の場合も間の場合もあります。たとえば、ミ・ファ・ソ(E – F – G)を弾く場合、ミは五線の第1線の上、ファはそのすぐ上の間(白い部分)、ソは第2線の上に書かれます。

わかりやすくするため、ここではト音記号の段(右手)だけに集中します。楽譜の中央のドから、すべての音を弾いてみましょう。五線上で位置を確かめるために、いつも中央のドから始めることを忘れないでください。

この音の並びの最初を見てみましょう。中央のドは、第1線より2段階下にあります。レは、第1線のすぐ下の1段階にあります。そして、先ほど見たとおり、ミは五線の第1線の上にある音符です。このド・レ・ミ(C – D – E)の並びを目印にすれば、音の順番と五線上での位置がわかります。なお、音符の符幹(棒)の向きは気にしなくて大丈夫です。考え方は同じです。
ピアノの楽譜の五線上の音符をもっとよく理解するために、Pianoteによるこのテーマのとてもわかりやすい解説動画もおすすめします。
まとめると、五線上の音符を読むコツは、一歩ずつ進めることです。
まず、楽譜を「翻訳」します。

五線上の音符の並びから、ド – レ – ソ – ラ(C – D – G – A)の順だとわかります。
楽譜を翻訳して音符がわかったら、その並びをピアノの鍵盤で弾きます。

楽譜上のペダル記号の読み方を知りたい方は、ピアノのペダルについての記事もご覧ください。
音符の長さ
ここまで見てきたように、五線上の音符の位置は、ピアノの鍵盤でどの音を弾くかを教えてくれます。ただし、正しく弾くには音符の長さも考えなければなりません。長さは音符の形で表されます。主な音符の形(長さ)は5種類あり、一つ隣の記号に移るごとに、長さは半分になります。
1 – 全音符は、符幹(棒)のない白い丸で表され、4拍の長さです。

2 – 2分音符は、符幹(棒)のある白い丸で表され、2拍の長さです。2分音符2つで、全音符1つと同じ長さになります。

3 – 4分音符は、符幹(棒)のある黒い丸で表され、1拍の長さです。4分音符2つで、2分音符1つと同じ長さになります。

4 – 4分音符より短い音符には、符尾(旗)という特別な記号がつきます。旗が1つ増えるごとに、音符の長さは半分になります。8分音符は、符幹(棒)と旗1本のある黒い丸で表され、半拍の長さです。8分音符2つで、4分音符1つと同じ長さになります。

5 – 16分音符は、符幹(棒)と旗2本のある黒い丸で表され、4分の1拍の長さです。16分音符2つで、8分音符1つと同じ長さになります。

拍子記号と小節(楽譜の構造)
拍子記号は、音符の長さの数え方を示すものです。ピアノを弾くとき、拍子記号は基本中の基本です。楽譜全体の構造を決め、曲の弾き方を左右します。
拍子記号は五線の最初にあり、上下に重ねた2つの数字で表されます。

下の数字は拍の単位を示します(4なら4分音符、8なら8分音符)。上の数字は、1小節に入る単位(下の数字)の数を示します。
上の例の4/4は、1小節に4拍あることを意味します。4分音符が1拍なので、1小節に4分音符が4つ入ります。小節が終わって次の小節が始まるところには、五線上に縦の線(小節線)が引かれます。

ここまでで、ピアノの楽譜の読み方の基本を見てきました。このコースの導入だけでも、何百もの簡単な曲に取り組めるようになります。






























